「寄り添う」について

少し前に種まきをしたミニひまわりが順調に育っています。

小さなポットのミニひまわりの芽
花壇のミニひまわり

今回は、ピアノのレッスンにおいて生徒に「寄り添う」ことについて、私が考えていることを書こうと思います。

私自身もそうであるように多くのピアノ指導者は、ひとりひとりに寄り添うレッスンを考えておこなっています。しかし、どのように寄り添うかは指導者の考えによって異なりますよね。

●生徒のペースに合わせて寄り添う

これには様々なシチュエーションが考えられますね。どんどん進む生徒、ゆっくり進む生徒、波のある生徒など。

ゆっくりペースの生徒の場合、気をつけていることがあります。それはいつまでも導入テキストや初歩テキストを使い続けないことです。

子どもの身体、心、脳は、個人差はあれど確実に成長しますよね。それをピアノのレッスンと結びつけるとき、例えば、練習不足などでテキストの進みが遅い生徒がいたとします。いつまでもその生徒に合わせて、テキストが最後まで終わらないからといって、頑張ればもう少しレベルの高い曲が弾けそうなのに同じテキストを使い続けることは、「寄り添う」ことではない、と考えています。

もちろん、色んなことを飛ばして進むのは基礎に穴を空けてしまうので慎重にならなければいけません。

●引っ張り上げて寄り添う

私は基礎を分厚く、特に基礎テクニックにたっぷり時間をかけます。形、ポジション、手首や前腕、腕の使い方など。最初に身につけた方が楽ですし、色んな音色を自分で作れることを知ることは、曲の特徴を自分で考えて表現することに繋がるからです。

それから5本指で弾ける曲をある程度マスターして、いくつかの長調と短調の1オクターブのスケールとアルペジオのしくみを理解し弾けるようになり、簡単な楽曲分析(形式やリズム、メロディーパターン、ドミナントートニックなど)ができるようになった頃に、引っ張りあげても大丈夫そうな生徒には「こっちにおいでー」と引っ張り上げます。引っ張り上げることもとても大きな責任があるので、生徒が安心して取り組めるように励ましながら丁寧に進めます。

私は生徒の能力を引き出してあげることも「寄り添う」と考えているので、生徒の身体能力や考える力、感じる心などを総合的にいつも観察しています。

確実に進みながら、今までのおさらいをすることもありますし、少し立ち止まってじっくり考察することもあります。

レベルアップするということは、今見えている、聴こえている景色や音楽から、今まで聞こえてこなかった音楽が聴こえてくるようになるということです。私も演奏や理論など総合的な面からその経験を積んできたので(今も進行中)、生徒たちにも自らそれに気づき(少しずつ気づいています)、生き生きと成長することを切に願っています。

「最近の子どもは沢山習い事をしている子も多く、ピアノのレベルアップがなかなかできない」「ソナチネまで到達せず辞めてしまう子が増えた」とチラホラ耳にします。

私はゆっくり進む生徒でも小学生の間にソナチネまでは進むことを目標にしています。タイミングをみながら「こっちにおいでー」を繰り返しながら。

子どもって「あなたなら出来そうよ」という言葉かけに物凄く嬉しそうな反応しますよね。確信を持ってその言葉をかけてあげられる生徒に育てるのも私たち指導者の仕事だと思っています。

そうして育った生徒達は、今、中高生になり、レギュラーレッスンからワンレッスン(ワンレッスンは高校生から)に移行しても大丈夫!モーツァルトやベートーヴェンのソナタ、ショパンやドビュッシーなど、ときにはクラシック以外の自分が好きな曲を楽しんでいます♪

大切に育てているマーガレット。水やりと剪定を丁寧にしてあげると次々花を咲かせてくれます。