ABRSM (英国王立音楽検定) ディプロマ合格率

2023.11.22追記

2024年よりABRSM(英国王立音楽検定) のディプロマが新しくなります。

以下の記事は私の記録として残しておきますが、古い情報ですのでご注意ください。


以下、2020.1.10投稿記事


去年書こうと思っていたこと、DipABRSM の合格率についてです。

ABRSM の演奏ディプロマは4つあります。

ARSM (Associate of the Royal Schools of Music)

DipABRSM (Diploma of The Associated Board of the Royal Schools of Music)Schools of Music)

LRSM (Licentiate of the Royal Schools of Music)

FRSM (Fellowship of the Royal Schools of Music)

ARSMは2017年にできたパフォーマンスのみのディプロマです。ディプロマはグレード最高位グレード8を取得しないと受検できません。グレード8からDipABRSMのレベルに大きな差があるため、DipABRSM の前段階として、プログラムノート、viva voce、初見を課さないARSMが設定されたようです。ちなみにARSMとDipABRSM の課題曲は同じでリサイタル形式で演奏します。
私は2017年にグレード8取得後、ARSMは受けずに2018年にDipABRSM を受検、合格をいただきました。

DipABRSM (以下Dip)を受検した時に、なんとなくDipの合格率が気になって色々調べました。

合格率は公式には発表されていないので、これから書くことは参考だと思ってお読みくださいませ。

調べたサイトは日本語では見つけられなかったので、海外の先生や受検者、受検者の親御さんが集うDipのディスカッションフォーラム、Dipの掲示板などです。
✴︎Dip合格率はだいたい50〜60%らしい✴︎2回目、3回目で合格する人もいる。

意外と低い合格率だと思うのですが、それを議論しているフォーラムもあって、そこを読んでいくと以下のようなことが書かれていました。
不合格の要因となるものとして音楽経験が浅い学生や大人が受検すると、
✴︎そのレベルのテクニックが身についていない✴︎自信のなさが演奏に現れる✴︎ノーミスで弾いても、曲の理解や表現力が乏しい✴︎プログラムノート、viva voce(口頭試問)の内容が曖昧✴︎初見力
などが挙げられていて、
✴︎音楽性を損なわない多少のミスタッチやスリップは合否に大きな影響はない!
と、当たり前のことが並んでいますね。

採点基準はシラバスにも詳しく書かれています。
興味深かったのは、「なぜグレードに比べてディプロマの合格率は低いのか」というスレッドで、
グレードには成績の良い順からdistinction(秀), merit(優), pass(可)の3つとbelow pass(不合格)があるのですが、グレード8をdistinction またはmerit で合格する割合が50〜60%だから、それがそのままDipにも反映されている、と述べていた先生もおられました。なるほど。

もちろん、受検当日の体やメンタルのコンディションによって本来の実力を発揮することができない場合もあると思うので、グレード8で良い成績がとれなくてもDipに挑戦する力のある人もいるでしょうし、その逆もあるでしょう。また、グレード8の成績に関わらず、そこから時間をかけて実力をつけてディプロマを受検する方もおられると思います。
でも、Dipの受検を考えている方がいらっしゃいましたら、音楽経験を積み、一つの指標としてグレード8をmerit以上で合格することを目指されるといいのかな。

最後に多くの人が述べていたのは、
✴︎Dipのスタンダードレベルは高い✴︎グレード9だと思ってはいけない
ということでした。
再度、合格率は公式の発表ではありませんのでご参考までに!

載せる画像がないので、私がDipを受検したときのマイノートを。日本で受検する場合、日本語と英語両方のプログラムノート(英文1.100 words ±10%)を提出します。そのためのメモやノートです。カウントしたことありませんでしたが、今数えたら94ページありました。


追記

ディプロマに合格すると、ABRSM Diploma Award Ceremony への参加のご招待メールをいただけます。2018年の合格者の東アジアのセレモニーは2019年4月、クアラルンプールで開催されました。

私も参加したい!と思っていたのですが、次の月にカナダに行く予定にしていたため、泣く泣く諦めました。

でも、ありがたいことに、そのセレモニーに参加された日本人の先生が、私の分も合格者リストが載った冊子をいただいて帰ってきてくださいました。ちゃんと私の名前も掲載されていました♪