対話する時間
父が亡くなって一年、初盆の年でした。
今取り組んでいるのはショパンのピアノソナタ第2番全楽章ですが、夏休み最終日の今日は特に第3楽章に浸りました。第3楽章「葬送行進曲」が一番有名ですね。
この葬送行進曲の中間部は本当に美しく、何も考えずに聴くだけでも純粋な気持ち、切ない気持ちになるのですが、弾いていると自然に父のことを思い出してしまいます。いえ、父のことを思い出したくて演奏していると言ってもいいかもしれません。
一人でこの曲を弾いていると、誰にも邪魔されずに父と無言で対話をしている感覚になります。
中間部は繰り返しがあるのですが、聴く人によっては長いと感じてしまうかもしれません。
でも、やっとその繰り返しの意味がわかったよう気がします。個人的な解釈ですが…。
思い出に浸る時間がとても愛おしくて、「まだ終わらないで…」と思いながら演奏するんです。
遠い昔、祖母が亡くなったときはシューマンの子供の情景の第1曲「異国から」が、私にとってはそういう曲でした。なので、「異国から」を弾くと自然にあの頃に戻れるんです。
ピアノを長く続けると、音楽を誰かに伝えること以外にも、こんな風に自分の中にある感情と対話することができます。音楽の素晴らしい一面ですね。
全部動画に撮りましたが、長すぎるので編集しました。抜粋ですが、よかったら聴いてください。
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ショパン 葬送行進曲 抜粋
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